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俺のハロプロ楽曲大賞'20

新型コロナウイルスが猛威を奮い、すべてのコンサート、イベントが中止になったハロー!プロジェクトこぶしファクトリーは無観客での解散ライブを強行。Juice=Juice宮本佳林らの卒業ライブは延期に。ところが、夏以降は他のアーティストに先んじてライブ活動を解禁。徹底した感染症対策を講じたコンサートで全国ツアーを実施し、鬱屈したエンタメ界に一筋の光明をもたらした。決して多くはなかった楽曲リリース。しかし、キラリと個性の光る楽曲が数多く誕生。ということで、本家「ハロプロ楽曲大賞」をベースに2019年12月1日〜2020年11月30日リリースされたハロプロ及びハロプロ関連の楽曲のベスト15を私の独断と偏見で選出し、ランキング付けした。  

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※アイドル楽曲に関しては別枠にてレビュー。

anztolchock.hatenablog.com

第15位 鈴木雅之「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理

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ラッツ&スター鈴木雅之の楽曲に、元℃-ute鈴木愛理がフィーチャリング参加。作詞作曲はいきものがかり水野良樹。テレビアニメ「かぐや様は告らせたい?」OP主題歌。ホーン・セクションの唸るダンディな色気芳しいソウル歌謡。鈴木愛理のパワフルなハモリが、鈴木雅之の哀愁を帯びたヴォーカルに決して負けていない。YouTube関連動画は合計4500万再生を記録。国内外から大きな注目を集めた。

第14位 アップアップガールズ(仮)「I LIVE YOU」

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新体制への移行に伴い4人卒業するアップアップガールズ(仮)、6枚目のアルバム「6th アルバム(仮)」収録曲。作詞作曲はPandaBoY。コロナ禍で会えないファンへの想いを綴ったロック・ナンバー。ハロプロ解雇というどん底から後ろ盾のない状態で立ち上がり、戦国時代からピースフルな雰囲気になったアイドル界で、9年間ファイティングポーズを崩さず走り抜けたことは胸を張っていいと思う。お疲れさまでした。 

第13位 Juice=Juice「Borderline」

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こぶしファクトリー井上玲音が加入したJuice=Juice、13枚目のシングル「ポップミュージック/好きって言ってよ」通常盤A収録曲。作詞作曲は星部ショウ。夢に向かい一歩踏み出す決心を歌ったアーバンなディスコ・ファンク調のライブ鉄板曲。フィロソフィーのダンス「バッド・パラダイム」から着想。圧倒的かつ個性的なヴォーカルでカッコよくきめ、サビ終わりに宮本佳林が甘ったるい歌声で全部持っていくのが最高。  

第12位 つばきファクトリー「イマナンジ?」 

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小片リサが活動休止中のつばきファクトリー、7枚目のシングル。作詞はSoflan Daichi、作曲は玉木千尋。トロピカルハウスの要素を取り入れたエモいミディアムナンバー。腕時計や門限をテーマに、一歩踏み出せない臆病な男性への合図として「イマナンジ?」を韻を絡めながら繰り返す。「今夜だけ浮かれたかった」以降続く、ハロプロには珍しい性の匂いのするガチ恋路線はつばきの個性となった。 

第11位 こぶしファクトリー「青春の花」

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今年3月、5年間の活動に幕を下ろしたこぶしファクトリー、ラストシングル。作詞作曲は星部ショウ。苦い思い出も全て青春。決して順風満帆ではなかっただろうアイドル人生に感謝を伝える、グループの集大成とも言える感傷的なミディアムバラード。 メンバーのハーモニーがとにかく美しく、特に落ちサビのマイクリレーには涙が止まらない。オリメンのみで解散することを決心した5人に敬意。 

第10位 アンジュルム「ミラー・ミラー」

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今年、3人が卒業したアンジュルム、11枚目のシングル。作詞は児玉雨子、作曲はShusui、Anders Dannvik、Kalle。タイトルは「白雪姫」の一節「鏡よ鏡」からで、歌詞の内容はもちろん、ミラーボール煌めく80sディスコチューン、ミラーに映ったような左右対称ダンスと横軸。女性の気高さを発信してきた同グループが、「ああ…誰か! 誰か見抜いて」とこじれた女性像を描くようになったのは、和田彩花が卒業した影響か。 

第9位 クマニキ「クマニキ」

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クマリデパートとアップアップガールズ(2)の期間限定コラボユニットクマニキ、1stシングル。作詞作曲はmichitomoとサクライケンタ。michitomoのキャッチーなメロディとサクライの「現音ポップ」が融合。歌詞は、それぞれのグループの過去曲からインスパイア。曲中の変速的なブレイクで、12人いるにも関わらず個々の見せ場も。クマリデパート早桜ニコの天性のアイドル性が際立つ。 

第8位 モーニング娘。'20「LOVEペディア」

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今年、結成23年目を迎えたモーニング娘。'20、64枚目のシングル。作詞は児玉雨子、作曲はオオヤギヒロオ。同シングル収録の「人間関係No way way」は、メロディは同じだが、歌詞とアレンジが異なる。思いを寄せる男性への恋模様をLOVEのWikipediaに捉えた。バッキバキのダンスミュージックを余裕で乗りこなすメンバーと、その間の15期の幼いペタペタした歌唱が最高。タイトルの由来は絶対にググってはいけない。

第7位 和田彩花「空を遮る首都高速

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アンジュルム/スマイレージのリーダー和田彩花、未音源化楽曲。作詞は和田彩花、作曲は不明。都会に住む人の内面を描いた歌詞で、それは空を遮るように走る首都高速で、突き抜けるそれ空ではない。幻想的でオシャレなシティポップを、メランコリックな歌声で平行線な世を憂う。バカで底意地の悪いアンチヘイターと、それに気高く立ち向かうあやちょがいるとき、私は常にあやちょの側に立つ。   

第6位 Juice=Juice「好きって言ってよ」

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Juice=Juice、13枚目のシングル。作詞作曲は山崎あおい鈴木俊介がアレンジを務め、「微炭酸」「ひとそれ」のコンビが手掛けた。ブリブリのベースと重厚なブラスが響くアダルトな赤羽橋ファンク。彼氏との駆け引きに苛立つ欲求不満系女子路線でメンバーにはお手の物。アイドル界随一のスキルと個性を誇る先輩メンバーに全く見劣りしない、新メンバー2人のパフォーマンスが素晴らしい。

第5位 BEYOOOOONDS「ビタミンME」

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昨年、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞したBEYOOOOONDS、未音源化楽曲。作詞は児玉雨子、作曲は星部ショウ。カゴメKAGOME GO!ME.プロジェクト」とのコラボで誕生。寸劇、ラップと目まぐるしい展開の元気いっぱいの応援歌。チープなオルガンにガレージ・ロックの香りが漂う。野菜ジュースのPRソングとしての栄養バランスの重要性と、多様な個性を肯定するメッセージを絡めた雨子先生の手腕が光った。

第4位 つばきファクトリー「恋のUFOキャッチャー」

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つばきファクトリー、7枚目のシングル「断捨ISM/イマナンジ?」通常盤B収録曲。作詞作曲はジンツチハシ。意中の男性をゲットできるかをUFOキャッチャーに捉えた、いい意味でチープなテクノポップ。メンバーの歌唱が過度にエモくないので、曲調にマッチ。Cメロの展開が面白く、ラストがハッピーエンドにならないのが、いかにもつばきらしい。こういう楽曲がカップリングに潜んでいるから、目が離せない。

第3位 鈴木愛理「Break it down」

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鈴木愛理、昨年先行配信され、その後2ndアルバム「i」に収録。作詞作曲はOfficial髭男dism藤原聡。圧倒的なリズム感に裏打ちされた独特のワードセンスが耳に残る、ニュージャックスウィング調のグルーヴィーなナンバー。片思いの揺れ動く恋心を歌う愛理の色っぽくハスキーなヴォーカルが、心地よいファンクサウンドに乗る。ハロプロを卒業して、表現の幅がさらに拡大。来年こそは、横浜アリーナ公演のリベンジをぜひ。  

第2位 Juice=Juice「ポップミュージック」

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Juice=Juice、13枚目のシングル。作詞作曲はKAN。KANによる同名シングルのカバー。ポップとは何か?を問いた、懐かしさの感じるキャッチーなディスコチューン。「ちゅるちゅるぷにゅぷにゅ」といった遊び心溢れる歌詞は一度聴いたら忘れられない。M「ポップ・ミューヂック」、ヴィレッジ・ピープル「Y.M.C.A.」など70sダンスミュージックを大胆に引用。宮本佳林、アイドル人生を締めくくるのにふさわしい一曲。

第1位 モーニング娘。'20「KOKORO&KARADA」

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モーニング娘。'20、64枚目のシングル。作詞作曲はつんく♂大久保薫による変態的なアレンジのシャープなEDM。音数を減らしたサビで引っ張り、その後のブレイクで一気に解放。アルペジオやストリングスも相まって、独特の幻覚作用があり、進化系「時空を超え 宇宙を超え」といったところ。娘。EDM楽曲初期のエッセンスもあり、過去と相対化させた現在の娘。を新たに提示した。当初1位と2位が逆だったが、記事公開直前で交換。ハロヲタハロプロを好きたる所以って何かと考えた末、メジャーのフィールドでありながら常に実験的な楽曲に挑戦する前傾姿勢であり、それは22年の歴史の破壊と再構築であるとの思いから、何の権威もない当ランキング2020年の1位とした。

最後に、津野米咲 R.I.P. 

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