モーニング娘。加賀楓がハロー!プロジェクトの活動に終止符を打った。不遇の苦労人から、キレのあるダンスを舞うクールビューティーに転身。ファンだけでなく同世代のメンバーからも支持を集めた加賀が、ついに去ることに。また、テレビ東京系ドラマ「真夜中にハロー!」にハロプロメンバーが総出演。オープニングテーマをOCHA NORMAが務め、鮮烈なデビューを飾った。もちろん、既存のグループも負けじと多彩な楽曲を展開。ということで、本家「ハロプロ楽曲大賞」の旧ルールをベースに2021年12月1日〜2022年11月30日リリースされたハロプロ及びハロプロ関連の楽曲(YU-M、他事務所所属を含む)のベスト15を私の独断と偏見で選出し、ランキング付けした。
第15位 アンジュルム「愛すべきべき Human Life」
第14位 宮本佳林「なんてったって I Love You」
第13位 Juice=Juice「雨の中の口笛」
第12位 モーニング娘。'21「ビートの惑星」
第11位 つばきファクトリー「弱さじゃないよ、恋は」
第10位 L!PP(from Hello! Project Dance Team)「Sunset Summer Fever」
第9位 OCHA NORMA「恋のクラウチングスタート」
第8位 アンジュルム「愛・魔性」
第7位 BEYOOOOONDS「虎視タンタ・ターン」
第6位 モーニング娘。'21「よしよししてほしいの」
第5位 OCHA NORMA「素肌は熱帯夜」
第4位 Juice=Juice「プラトニック・プラネット (Ultimate Juice Ver.)」
第3位 BEYOOOOONDS「英雄~笑って!ショパン先輩~」
今年、日本武道館単独公演を成功させたBEYOOOOONDS、3rdシングル。作詞は星部ショウ、作曲はFREDERIC FRANCOIS CHOPIN。ジャンルの壁を超えて、ショパンの名曲「英雄ポロネーズ」「ノクターン」を大胆にアレンジ。歪んだギターのQUEENフレバーをミックスした、コミカルかつ壮大な人生讃歌。聞き所は小林萌花の華麗なピアノ演奏。鍵盤の一音一音から身体性を感じられる。アイドルソングはノベルティ感だ。
第2位 鞘師里保「DOOM PA」
元モーニング娘。鞘師里保、3rd EP「UNISON」収録曲。作詞はカミカオル、ViiiV、鞘師里保。作曲はNanami、ViiiV。モチーフはダンス留学時代、ブルックリンの友人の家の屋上で独立記念日に見た花火。K-POP的擬声語・擬態語のフックを施したダンスミュージック。ジャパニーズアイドル的エモさを担保しつつも、グローバルなトレンドを抑えた音楽とダンスの黄金率は、鞘師だけしかたどり着けない領域。
第1位 つばきファクトリー「アドレナリン・ダメ」
今年、二度目の日本武道館公演を成功させたつばきファクトリー、9枚目のシングル。作詞は児玉雨子、作曲は中島卓偉。編曲を炭竃智弘がつとめ、「今夜だけ浮かれたかった」などと同じく鉄壁の布陣。スタート直後から最強。卓偉のロック魂が込められたコーラスが止まらない、ノリノリの四つ打ちディスコファンク。歌詞は報われない女性のアンビバレンスな感情を基調としながらも、「Shall we dance?」「超ロマンス」「しょーもなロマンス」と韻を踏んだり、「好き 好き 好き 好き 無理!」と言葉遊びをしたりと、一度聴いたら忘れられない。サビ途中で「私アドレナリンで」で唐突にソロパートに入るなど、歌割りもかなりユニーク。そして、この高度なリズム感が求められるパフォーマンスを体現できるのが、今のつばきファクトリーの強みだろう。オリジナルメンバーの安定した歌唱の中にも、新メンバー全員に見せ場があり主力になりつつある。おそらく将来的に、モーニング娘。にとっての「One・Two・Three」やアンジュルムにとっての「大器晩成」のような、グループのブレイクの契機になる楽曲と位置づけられるのではないだろうか。